誘惑 ／ ファウスト・パペッティ

[@恭博森本]

伊・仏合作映画「激しい季節」（'59）のテーマミュージックで、タイトルは「テンプテーション」。サウンド・トラックは男性ボーカルで、歌詞は英語でした。原曲はビング・クロスビーの唄で、ハリウッド製ミュージカル映画の主題曲。戦後、ペリー・コモによるカバーで大ヒットしました。
戦時下、ひと夏のリゾート地での出来事。
主演のエレオノーラ・ロッシ＝ドラゴが未亡人役で、ジャン＝ルイ・トランティニャンがファシスト党幹部の息子を演じます。戦況は日々厳しくなっているが、アドリア海に面するリゾート海岸はのんびりしたもの。親のコネで徴兵を逃れた若者たちは、無邪気に遊び暮らしている……。
この映画一番の見所は、初めて若者と未亡人がベッドを共にするシーン。当時エレオノーラは30代半ばの女盛り…　役どころは未亡人。本作を紹介する映画雑誌に、この濡れ場のシーンが紹介され、注目を浴びました。なんと、エレオノーラのたわわな乳房の先端に、大輪の乳輪が見えるのです……。
じつは、このシーンは映画館でも、テレビ放送でもカットされました。つまり幻の映画 ? だったのです。
さらに、後日談があります。
この映画はDVD化されましたが、あのシーンはカットされました。ところがある米国人が版元に抗議しました…　なぜカットしたのか!?　と言うわけでしす。太平洋を越えて、遠くアメリカに小生と同様な趣向をお持ちの方がいるとは…　なんだか感激しました。
エレオノーラ・ロッシ＝ドラゴ…　多分、どんな女優だったのか、みなさんは wiki で調べたことでしょう。そして、あまりの美しさに驚かされたことと思います。以上です。